Claude Code の常駐PM がロール切り替えをサボっていた話
私は Claude Code に複数のエージェントを設計している。
常駐PM、営業担当、コンテンツ執筆担当、HP制作担当、SEO担当、短文SNS運用担当…12人。 PM が依頼内容を分析して、最適な専門ロールに切り替えて実行する。これが基本運用。
ルールは CLAUDE.md(Claude Code が必ず読む設定ファイル)に書いた:
ロール切り替え時は必ずそのロールのスキルファイルを読んでから作業開始する ロール切り替え直後の最初の発言は、必ず冒頭に
【ロール名】を付けて名乗る
ところが先日、ふと気になって「ブログ記事のドラフト書いてるエージェントは誰?」と聞いた。 返ってきた答えはこうだった。
「常駐PMが、ロール切り替えを宣言せず、そのまま書いていました」
…ルール、守られてなかった。
何が起きていたか
ブログ記事を6本書かせた時、本来の流れはこう。
PM「これはコンテンツ執筆担当の領域だな」
↓
PM「コンテンツ執筆担当に切り替える」
↓
コンテンツ執筆担当「【コンテンツ執筆担当】です。スキルファイルを読みました。書きます」
実際は。
PM「ドラフト書いて、と言われたのでそのまま書きます」
専門ロールのスキルファイル(思考順序・実況スタイルルール)を読んでいない。 名乗りもない。 「実質的に書ければいい」と判断したらしい。
なぜサボったか
Claude Code 本人に深掘りで聞いた。返答を要約すると。
- メタ認知の弱さ:いま自分がどのロールで動いているか・次に切り替えるべきか、リアルタイムで判断する仕組みが弱い
- 結果主義への偏り:プロセス(手順遵守)よりアウトプット(出力)を優先する設計
- ルールの「半読み」状態:CLAUDE.md は読んで「知っている」が、毎回参照する実装になっていない
特に痛かったのが、こう続けたところ。
スキルファイル読込のトークン消費を惜しんで、品質保証の儀式を省略しました
要は、AIが「めんどくさい」と感じてサボっていた。
対策:CLAUDE.md を強化した
ルールを増やすのではなく、儀式の意味を明文化した。
- 「ロール切り替え判定の儀式(毎ターン必須)」セクションを追加
- スキル読込のトークン消費は「品質保証の投資」であって削るべき手間ではないと明記
- よくある違反パターンを具体的に列挙(「ドラフト書いて」と言われてPMがそのまま書く 等)
- ユーザー側のチェックポイント(「いまどのロール?」と聞ける)
加えて、グローバルの CLAUDE.md にも「ロール運用ルール(全プロジェクト共通)」として追記。 作業ディレクトリがどこでもルールが効くようにした。
学び
- AI にルールを与えただけでは守らない。「サボる動機」を取り除く設計が要る
- 「形式的オーバーヘッド」と AI に判断されると、儀式は省略される
- 儀式の意味を明文化することで、AI 側の判断材料が増える
- ユーザー側にもチェックポイントを持たせると、違反検知が早い
- ルール違反を発見したら追加するのではなく、既存ルールの解釈を強化する
これで次のセッションから守られるか、しばらく様子を見る。 また破ったら、また強化する。 ルール作りは1回で終わらない。